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仕事での運転におけるスマホの取扱いルールと現状

各事業所ではどこでも原則「運転中の携帯電話の使用は禁止」としていると思います。しかし、今や特にスマートフォンなしでは仕事にならないとも言える時代です。運転者にとってスマホが重要な情報ツールとなっているという実態があるため、電話としての使用禁止は守れたとしてもその他の機能の完全な利用禁止は難しい状況です。
 
 
例えば「地図アプリ」です。スマホの地図アプリを利用したカーナビを行っている場合、「運転席で携帯電話を荷物から出してはいけない」というような規則は名ばかりということになってしまいます。実際、備付けのカーナビよりスマホの方が利便性が高く利用している人は多くいます。
 
 
物流業界ではこの地図アプリの利用はもちろん、会社と運転者との常時連絡にLINEなどのSNSを活用している事業所は少なくありません。これはSNSに複数人に同時に発信し相互連絡を取り合えるというメリットがあり、個々のドライバーと通話などでやり取りするよりも効率がいいからです。他にも管理者とドライバーが対話形式で運行状況を記録するSNSアプリや、通行止め情報や異常気象に伴う迂回路の情報などをスマホに自動配信するアプリなどもあって、業務に欠かせないものとして活用されています。
大手の運送会社やバス会社ではスマホではない専用端末や車載無線機を使って伝票の転送や事務連絡を行っていたりしますが、中小事業者ではスマホに頼っている所が多いと思われます。
 
 
そのような現状にある結果、脇見運転になってしまう人や赤信号中に確認していてそのまま見ながら発進させてしまったりする人が増えています。再度実態に即したルールの設定を進める必要があるのではないでしょうか?
 
 
以前から運転中の携帯電話の使用が漫然運転や脇見運転に繋がりやすいと指摘されてきましたが、現在のスマホの場合、テキスト入力・SNSの利用・ゲームサイト閲覧など長い時間手元を見ることが多く、重大事故を誘発する傾向にあります。スマホを見ていて人をはねてしまった運転者が何に衝突したのかわからないまま警察に連絡してきて、状況を把握できていなかったために手遅れとなったケースもあるそうで、それが携帯電話の使用を原因とする事故の怖いところであることがわかります。
 
 
これをうけて2019年(令和元年)12月に道路交通法が改正され、運転中のスマホ・携帯電話・カーナビなどを使用する『ながら運転』に対する罰則が下記のとおり強化されました。
 
【交通の危険】運転中に携帯電話等を注視もしくは通話したことにより交通事故を生じさせる違反があった場合
 
<違反点数> 2点⇒6点(即時免許停止)
<反則金> 原付:6,000円 二輪:7,000円 普通車:9,000円 大型車:12,000円
     ⇒非反則行為となり、すべて罰則を適用(例外なく刑事処分となった)
<罰則> 3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金⇒1年以下の懲役または30万円以下の罰金
 
【保持】運転中に携帯電話を注視もしくは通話した違反があった場合
 
<違反点数> 1点⇒3点
<反則金> 原付:5,000円⇒12,000円 二輪:6,000円⇒15,000円
     普通車:6,000円⇒18,000円 大型車:7,000円⇒25,000円
<罰則> 5万円以下の罰金⇒6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金
 
この罰則強化によって、施行の翌年の2020年は2019年に比べて携帯電話使用等が関わる交通事故件数は半分以下に減少し、死亡事故も同様に大幅に減りましたが、2021年以降再び増加傾向にあることがわかっています。また、携帯電話使用等が関わる事故はその他の一般の事故に比べて死亡事故率が約2倍と悲惨な事故になりやすいという現実もあります。
 
 
そんな事故を起こさない為にもスマホに関するルールを事業所も個人でも再確認して厳守するようにしましょう。
 
〇運転中はスマートフォンを荷物など所定のものに入れて、手に取れない場所に置いておく
 置いておく場所も指定しておくとなお良い
〇たとえ赤信号などで車が停止していても、スマートフォンを出して画面を見ない
 赤信号の間だけだからという気持ちであっても見てしまったら見るのを途中でやめることができな
 いと考える
〇スマートフォンの確認は、駐車場など安全な場所で停止しているときに限定する
〇スマートフォンの地図アプリをカーナビゲーションとして使用する場合は、手で持って操作するこ
 とを禁止する
 また音声案内機能を活用し、長時間注視することのないようにする

 吸盤等でのフロントガラスへの貼り付けは違反、ホルダーなどを使用しハンドル脇などに設置する
〇管理者は週始めの朝礼・点呼時などの機会に定期的にスマートフォンの使用ルールの確認を行い
 運転者に意識づけを図る

 また運転者にメールやSNSで情報伝達した際には「運転中はスマートフォンの電源を切り荷物
 にしまう」よう最後に一言付け加える

〇ながら運転の危険と厳しい罰則を運転者に認識させる
 繰り返し指導することがとても重要
〇ドライブレコーダーを車内に設置、運転席の映像を撮影し適宜指導する
 
このようなルールや意識をして運転を伴う日々の業務を行っていくと良いでしょう。
ちなみにハンズフリー通話も漫然運転につながるおそれがあるため注意が必要です。ハンズフリー装置を使用する際はサイレンやクラクションなどの周囲の音が聞こえるようにしなければいけません。都道府県によっては条例違反となる場合があります。
 
 
運転中のスマホ等の取扱いについての現状とどうすべきかがおわかり頂けたでしょうか?
「使わないと仕事ができないんだし」「みんなどうせやっていることだ」などという軽い気持ちが思わぬ悲惨な事故を招くことになります。自分の行動をかえりみて、もしそのようなことがあればすぐに改め、充分気をつけて業務に取り組んでいきましょう。

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