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労働安全衛生世界デーと労働安全衛生の取り組みについて

労働安全衛生世界デー(World Day for Safety and Health at Work)は、毎年4月28日に国際労働機関(ILO)が主催する国際的なイベントです。労働者の安全と健康を保護し、労働災害や職業病を予防するための取り組みを促進することを目的としています。また、労働に関連する死亡事故や障害、職業病によって亡くなった労働者を追悼する意味合いも持っています。
労働者の生命や健康を守るため、国や組織・各企業や個人に至るまで労働環境の改善や法律の整備、教育・訓練の充実に関心を持ち、それらを推進する機会を提供している日であるといえます。
 
 
この労働安全衛生世界デーは1914年(大正3年)のこの日にカナダで「包括的労働者補償法」が成立し、これを記念して1984年(昭和59年)カナダ地方公務員組合(CUPE)が記念日に制定したことに始まります。1991年(平成3年)にはカナダ議会が国の追悼の日の一つと定め、次第に他の国でも行われるようになりました。さらに1996年(平成8年)に国際労働組合総連合(ITUC)が国際的な記念日とし、2002年(平成14年)には国際労働機関( International Labour Organization:ILO)が国連の国際デーの一つとしました。2003年(平成15年)に「労働安全衛生世界デー」と現在の名称に変更され、職場における安全・健康文化の促進に人々の関心を喚起させる日として現在に至っています。
 
 
日本においては労働安全衛生に関わる行事として、今年は7月1日~7日に全国安全週間が、10月1日~7日に全国労働衛生週間が設けられています。他にも各季節のクールワークキャンペーンや交通安全運動・防災週間・健康強化月間なども労働安全衛生行事に含まれ、多くの企画が年間で予定されています。
 
 
また労働安全衛生に関わる法律として日本には『労働安全衛生法』があります。
この法律は、労働者の安全および健康を確保し労働災害を防止することを目的としており、以下のような点を規定しています。
 
◎雇用者の責任: 雇用者(事業を行い、労働基準法第9条に規定する労働者を使用する人)は、労働者の安全および健康を確保するために必要な措置を講じる義務があります。これには労働環境の改善、労働者への安全衛生教育、労働者の健康診断の実施などが含まれます。
◎労働者の責任: 労働者(職業の種類を問わず、事業者や事務所に雇用され賃金を受け取っている人。ただし同居の親族が営む事業者や事務所に雇用されている人・家事使用人は含まない)は、自分自身の安全および健康を確保するために、雇用者から指導された安全衛生に関するルールや手順を守る義務があります。
◎政府の責任: 政府は、労働安全衛生法の遵守を監督し、違反があった場合には適切な措置を講じる責任があります。また労働者や雇用者に対する指導や助言を行い、労働安全衛生の向上に努めます。
 
 
『労働安全衛生法』と混同されやすい法律として「労働基準法」が挙げられます。労働安全衛生法と労働基準法の内容や制定の目的は異なるため、両方を正しく理解しておく必要があります。
 
【労働基準法】
労働条件に関して事業者が最低限守るべき基準を定めた法律。雇用契約や労働時間等の観点から差別や強制労働を防ぎ、労働者の権利を守るためのもの。
<労働基準法で定める内容>
 ・賃金
 ・法定労働時間、時間外労働時間、休日労働時間
 ・休日、年次有給休暇
 ・就業規則 等
 
【労働安全衛生法】
労働者が安全かつ健康に働ける環境を形成するために制定された法律。健康状態の把握・職場の衛生管理等の観点から労働者の安全と心身両面の健康を守るためのもの。
<労働安全衛生法で定める内容>
 ・安全衛生管理体制
 ・雇い入れ時の健康診断、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断
 ・産業医面談、ストレスチェック
 ・換気、照明、感染症対策等の基準 等
 
本来、労働安全衛生法の内容は労働基準法に含まれていましたが、働き方の多様化に伴ってその内容を独立させ、1972年に労働安全衛生法として制定されました。
どちらも労働者を守るための法律ですが、上記のとおり対象とする領域が異なります。
 
 
労働安全衛生とは国や事業者が実情を調査し対策をすべきものと思われがちな一面もあると思いますが、個人(労働者側)ができることも多々あります。例えば、意識を高めて指導された安全衛生に関するルールや手順を遵守し、受けた教育や訓練を復習して知識や技能を維持・向上させ、新たな情報や知識を積極的に学び、自分の責任を自覚することです(これには緊急時の対応も含まれます)。また同僚や上司とのコミュニケーションを大切にして安全衛生に関する問題や懸念を共有しましょう。そうすることで事業所全体での労働安全衛生意識の向上にも繋がります。他にも社会人として当たり前のことですが、自分の健康管理も労働安全衛生に関わっていますし、労働環境に問題があると感じた場合には勇気をもって上司や安全衛生担当者に提案し、自らも改善に取り組むことがのぞましいとされます。
誰もが人任せにせずそれぞれが意識して働くことで労働安全衛生環境はより良いものへとなっていくのです。
 
 
この労働安全衛生世界デーを機に自分が営むまたは勤める事業所の環境について考えてみてはいかがでしょうか?

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