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安全運転の誓いとタイヤ脱落防止について

警視庁が発表した交通事故に関するデータによると、昨年(2023年)に全国の交通事故による死亡者は2,678人(前年比+68人)で、8年ぶりに増加へと転じてしまったとのことです。都道府県別ではワースト1位:大阪府(148人)、2位:愛知県(145人)、3位:東京都(136人)、4位:千葉県(127人)となっています。
各事業所としてもあらためて交通事故発生状況を振り返り分析して、必要に応じて対策や指導をしなければいけないと思いますが、個人一人一人が意識を高めることもとても大事なことです。
 
 
そこでオススメしたいのが、年の始めの月でもありますし、「安全運転目標を立てる」ということです。
立てる目標はできるだけ具体的で、実際に経験した事故や違反やヒヤリハットをふまえて考えたものなど、「自分自身を守る実践的な目標」を設定できるとなお良いです。そして決めた安全運転目標は、カードにするなどして、車のダッシュボードなどいつも目に入る場所へ貼っておくとより効果的でしょう。
 
 
今年1年間全国で使用される『全国交通安全年間スローガン』も公開されています。これは全国交通安全協会と毎日新聞社の共催で毎年募集しているもので、全国の運転者や一般の大人・子供から今回は45,437点もの作品の応募がありました。選ばれたスローガンは次のようなものがあります。
 
〇今日もまた あなたの無事故 待つ家族
〇抜け道と 思うな そこは通学路
〇挙げる手を やさしく見守る 横断歩道
〇飲みません 今日は私が ハンドルキーパー
〇ぎりぎりの 時間と車間が 事故を呼ぶ
 
運転者・歩行者が守るべき基本的な行動がわかりやすくまとめられているので、こういったスローガンの中から自分の交通安全目標とするものを選んでも良いでしょう。
 
 
 
近年、走行中の車からタイヤが外れる事故が相次いで発生していて、死亡事故にもなっている案件もあり、大きな問題になっています。
国土交通省はこの問題に対して今年度当初から「令和5年度 緊急対策」を提示し、特に大型トラックや大型バスを使用する自動車運送事業者に対して事故防止の呼びかけを行っていましたが、昨年12月1日に八戸自動車道で、運送会社の大型トラックから脱落したタイヤが路肩で道路保全作業をしていた男性作業員に衝突し、その作業員が亡くなるという事故がおきてしまいました。これを受けて、国土交通省はトラック運送事業の会社に全国の運輸局と沖縄総合事務局を通じて「大型車の車輪脱落事故防止に係る一斉点検の実施」を求めました。
 
 
「大型トラックやバスの話でしょ?」と侮ってはいけません。軽自動車や普通乗用車でも重大な人身事故となっているケースがあるため注意が必要です。
例えば、昨年11月14日に北海道札幌市西区で軽自動車に装着されていたオフロード走行用タイヤが外れ、歩道にいた3~4歳の女の子に衝突し女の子が意識不明の重体となった事故や、同じく昨年11月29日に札幌市南区の国道を走行中の乗用車から外れた右前の冬用タイヤが、対向車線を走っていた軽乗用車に衝突し軽乗用車を運転していた女性が胸をうつなどのケガをした事故があります。
 
 
タイヤは思いの外大きく重く、大型トラックのものであれば5歳児の平均身長と同じ直径約110㎝にもなります。
国土交通省が公表している実験動画によると、時速60㎞で走行している大型トラックからタイヤが外れた場合、そのタイヤがぶつかった男性とベビーカーは4mも飛ばされてしまうそうです。外れて転がってきたタイヤにぶつかり、それ自体ではたいしたケガなどなかったとしても、飛ばされたりなどすれば二次災害につながる恐れがあることは容易に想像できますね。
 
 
車輪の脱落事故はその多くがタイヤ交換と関係があるとみられています。というのも、データによれば昨年度(2022年度)の車輪脱落事故は140件で統計史上最多、このうち6割が12月以降に起こっており、また約66%が冬タイヤへの交換後に発生しているからです。タイヤを脱着した時の整備ミスやホイールの潤滑剤塗布の不十分、その後の増し締めの措置を怠ったことなどが原因と考えられていて、以下のようなポイントを呼び掛けています。
 
【脱落事故防止ポイント】
・整備管理者は適切なタイヤ脱着作業を行うため、タイヤ脱着作業日程及び作業時間に余裕を持った、計画的なタイヤ脱着作業を実施する。
・自社でタイヤ脱着作業を行う際は、正しい知識を有した者に実施させる。
・特に車輪脱落事故の多い左側後輪や積雪地域、舗装されていない道路を走行する大型車については、重点的な点検・整備の実施を心がける。
 
【整備ポイント】
・著しくさびたホイール・ボルトやホイール・ナット、ディスク・ホイールは適正な締付力が得られない。脱着作業時に点検・清掃や潤滑剤の塗布を行ってもさびが著しいディスク・ホイールやひっかかり等の異状がありスムーズに回らないホイール・ボルト及びホイール・ナットは、使用せず交換する。
・ボルト、ナットが新品の状態から4年以上経過している車両は入念に確認する。

・タイヤ脱着後、50~100km走行後の増し締めを実施する。
 
 
大型の自動車運送業者だけでなく、私たちのような小型の運送事業者や社用車を有する一般事業者や個人の運転者も誰もが意識をして思わぬ事故を防ぎ、整備の面からも安全運転を実践できるようにしていきたいですね。
国土交通省や日本自動車工業会などで啓発動画をつくり注意を呼び掛けてもいるので、そういった動画をみてその怖さや気をつけるべきことを確認しておくのもいかがでしょうか。

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