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アクセサリーソケット~その利便性と今も残される理由~

一昔前、車の車内には「シガーライター」と呼ばれるタバコに火をつける電熱ライターと灰皿が当たり前のように装備されており、シガーライターのソケットにはさらに電子パーツを取り付けることもできてとても重宝されてきました。
今はキャップが付いているだけでライターとしては使えませんが「アクセサリーソケット」と名前を変え、残っています。これがあることで大掛かりな電源確保やコードの取り回しが必要なくなるので、それだけとってもやはり便利ですよね。
プライベートはもちろん、軽貨物運送業においても業務に欠かせないナビやスマホの大事な電源としてドライバーの誰もが利用しています。

 
 
 
車内電源の用途としてはやはりスマホの充電が最も多いです。その他よく使用される車載グッズにはUSB電源のものも増えていることから、新車にはアクセサリーソケットのないUSBポートのみのものも増えてきていますが、アクセサリーソケットを残している車はいまだ多くあります。

 
 
なぜアクセサリーソケットは残されているのでしょうか?

 
 
USBは5V3A、スマホの充電程度であれば問題ありませんが場合によっては役不足のことがあります。
例えばドライブレコーダー・レーダー探知機・ハンディクリーナー・扇風機・車載用冷蔵庫・電気ポット・電動タイヤエアコンプレッサー・LEDランタンなどは12V10Aであるアクセサリーソケットから電源をとるのが主流です。
アクセサリーソケットなら車載インバーターを使うことで100Vまで取り出すことができるので、一部の家電製品も使うことができ、車中泊やキャンプ・災害時などに便利です。
また、アクセサリーソケットに挿して使用するUSBソケットがあるのでアクセサリーソケットがあればUSBは使うことができます。大型車種にはもともとアクセサリーソケットが2個ついているものもありますが、大抵は一つです。それだけでは足りないという場合、アクセサリーソケットも家庭の分岐タップや延長コードのように専用の増設グッズを使用して「タコ足」にすることができます。これによって複数のアイテムを同時に使うことも可能です。

 
 
 ※タコ足にする場合の注意点
  使用電流の合計に気をつけましょう。家庭用の分岐タップなどと同じように許容量があります。
  電圧は12Vのままです。使うアイテムを増やせば増やすほどソケット内を流れる電流は大きくな
  り、配線に負担がかかってヒューズがとんでしまうこともありますし、配線が劣化していると発
  熱することもあります。ワットでいえば120W程度なので思ったよりも大きいものは使うことが
  できません。

 
 
もっと使える電源といえば、一部のハイブリッドカー・PHV・EVならアクセサリーソケットだけでなく、家庭用電源と同じAC100V/1500Wのコンセントが標準又はオプションで用意されています。(ちなみにガソリン車にもコンセントがオプションでありますが、AC100V/100Wであり、アクセサリーソケットと同等の電力供給力しかありません)
AC100V/1500Wのコンセントならば、炊飯器・コーヒーメーカー・掃除機・電子ケトル・ヘアドライヤーなどの家電も使うことができます。またこの容量のコンセントを有する車の最大の魅力は「外部供給機能」で、車から外へ一般家庭の数日~10日分もの電力を供給することができ、停電時でも家の中で電気が使えて安心・便利です。大容量バッテリーと一緒にエンジンも積んでいるHVやPHVであれば、バッテリーが底をついてもエンジンを始動することでガソリンがある限り充電も可能で、東日本大震災時にはHVが救援のため被災地に集結し、電力を供給したという災害対応能力を示すエピソードもあります。
日本は災害・地震大国であり、世界の車の電動化の流れとはまた別の意味でAC100V/1500Wのコンセントと給電機能を備えた大容量バッテリー搭載の電動車の存在意義・価値は大きいと言えるでしょう。

 
 
それほど便利なAC100V/1500Wのコンセントがどうして車に標準装備とならないのでしょう。
それは単純に2モーターを備えたストロングハイブリッドのような余裕ある大容量のバッテリーの積載が不可欠だからです。同じハイブリッド車でも1モーターやモーターアシストのみのリーズナブルで軽量コンパクトなバッテリーではまかなえません。そのため、たとえ数万円のコストを払えたとしても、ユーザーから多くのニーズがあったとしても車種によっては採用できないのです。
また、大変有効な有事の備えとなることがわかっていても、一般的に車内外でAC100V/1500Wのコンセントを使う機会はそれほどありません。積める車であってもオプションにしているケースが多いのはそういった理由とできるだけ価格を抑えたい売る側の意図などがあるからのようです。

 
 
 ※EV・・・バッテリーの電力だけでモーターを駆動する電気自動車
  HV・・・エンジンとモーターの2つの動力で走るハイブリッド自動車
  PHV・・・ハイブリッド車の中でさらに自宅や充電スタンドから充電できる機能をもったプラグ
       インハイブリッド自動車

 
 
 
このようにアクセサリーソケットが今もほぼ主流となっているのは、車をより便利に使うために何らかの小電力を供給する機能が必要とされていること、上記のような事情があること、そしてアクセサリーソケットがどの車にも装備させることができ、そこそこの電力供給が可能で、使用用途が広いという特徴をもっているからということなのです。

 
 
このネット社会において、また今後の環境を守るためにも電気は本当に欠かせないものです。
物流業界でも数年前からEV車への移行を進めています。まだまだ課題は多くありますが、それらの問題提起によって電動自転車・電動トラックの進化も進み、誰もが災害に備え便利に使える車に乗れる日がいつかくるのではないでしょうか。
それまではアクセサリーソケットを正しく安全に上手く使いこなして車でも快適に毎日をすごしましょう。

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